数字に弱いあなたの驚くほど危険な生活

Calculated Risks / How to know when numbers deceive you
副題が、「病院や裁判で統計にだまされないために」とあるように医者や検察官などの専門家が発言することを鵜呑みにするととんでもない悲劇に陥るという内容です。
例えば、最近各自治体でも盛んに推奨している乳がん予防検診です。

乳がん検診を定期的に受けている女性の一人が乳がんである確率は0.8%
また、乳がんであれば乳房X線検査で陽性になる確率は90%
乳がんでなくても陽性とでる確率は7%
そこで、ある女性の検査結果が陽性でした、この女性が乳がんである確率は?

こんな質問にちゃんと答えられる医者は極めて少ないようで、その結果、患者から問われると90%とか答えている場合があるようです。

では、これを確率ではなく自然頻度で書き換えると、
女性1000人あたり8人が乳がんにかかっています
この8人のうち7人は乳房X線検査で陽性とでます
乳がんでない992人のうち、70人は乳房X線検査で陽性とでます
そこで、ある女性の検査結果が陽性でした、この女性が乳がんである確率は?

答えは、検査結果が陽性の77人(70人+7人)のうち本当に乳がんなのは7人なので9%となる。

誰でも統計や確率は苦手です。でもそれは専門家も同じで解っていない専門家から本当らしく告げられて信じ込むと、結果的に必要のない手術で大切な乳房を失ったり、といった話がたくさん紹介されています。

象徴的に引用されているのがフランクリンの言葉です。
「死と税金のほかには、確実なものなど何もない」

数字に弱いあなたの驚くほど危険な生活―病院や裁判で統計にだまされないために

数字に弱いあなたの驚くほど危険な生活―病院や裁判で統計にだまされないために