倒壊--大震災で住宅ローンはどうなったか
- 作者: 島本慈子
- 出版社/メーカー: 筑摩書房
- 発売日: 1998/12
- メディア: 単行本
- クリック: 1回
- この商品を含むブログ (2件) を見る
この本の中での注目は、例えばマンション崩壊の場合、修理して住み続けたい人たちと、建て直したい人たちの論争です。
極端に言えば、終の棲家と考えるか、投資対象と考えるかでしょう。
前者は補強してでも安い修理費で住めるようにしたいだろうし、後者は人に売れないような品物では困るわけで、完全な建て直しを希望しています。
住民集会での論争があるが、こんなことはまとまるわけがありません。
自分がこんな中にいたら、勝手にしてくれと逃げ出したくなるような集会です。
そういう意味では私には後者の立場がわかりやすい気がします。
これ以外に、戦前の建物が6件あったがいずれも無傷だった、という点には素直に納得しました。
戦前の技術屋にはプライドがあったということで、耐震偽装事件など考えられない世界という気がします。