日本人は、なぜ同じ失敗を繰り返すのか?
日本人は、なぜ同じ失敗を繰り返すのか 撤退戦の研究 (知恵の森文庫)
- 作者: 半藤一利,江坂彰
- 出版社/メーカー: 光文社
- 発売日: 2006/08/04
- メディア: 文庫
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一人は映画にもなった「日本の一番長い日」の著者で昭和史の第一人者 半藤一利、もう一人は、「勝つ人事、負ける人事」など経営戦略、人事戦略の専門家 江坂彰。
ミッドウェイの南雲中将の無能さ、日中戦争を泥沼化させた関東軍参謀連中のあほさ加減、年功序列の弊害、日露戦争の勝ちに対するおごりと束縛など、定説となっていることがらも多いが、山本五十六が新潟県人だったため、本心を語らず、勘違いした部下たちが無謀な日米戦争に突入した点など、読み応えがある内容です。
特に、江坂さんは経営戦略が専門のため、バブル以降に経済戦争でアメリカに負け続けている日本の戦略の無さを看破している。
注目は、半藤さんのリーダーの条件、
- 権威を明らかにすると同時に責任をしっかり取る
- 組織の目標を明確にするための決断をすること
部下に目標を語らなかったのが多く、山本五十六はその典型
- 焦点の場に位置せよ
仕事が忙しいと家庭内暴力から逃げる父親
- 情報は自分の耳で確実に聞く
- 規格化された理論にすがらないこと
前に成功したからといって改良を怠ること
- 部下に最大限の任務追行を求める
お前が行って来い、お前しかいないんだ!
賢者は歴史に学び、愚者は失敗に学ぶ
まさに日本軍の内容は失敗学の宝庫です。